canno-shiのすこしみらいを考える

現在と過去を通じて少しだけ未来を考えるためのブログです。予測ではないですが、ありたい未来を考えていく気持ちです。

意識低い系の生存戦略

まずは、何も言わずにこちらをご覧ください。
『スタートアップで働くミレニアル世代の思考書き下ろし 30日間 - 第3期』

 

いかがでしょうか。
意識高い感じ、しませんでしょうか。

なぜ自分がこの中にいるかは甚だ疑問です……と言いたいところなのですが、最近は自覚するようになりました。
「あ、自分も意識高い人になったな」と。
「大学生の時に揶揄していた存在に、自分もなってしまったな」と。

 

そもそも「意識高い」というのは「張り切っちゃってる痛い人」といった意味合いです。
大学生の頃、自分はできるだけ社会に出たくなく、働きたくもありませんでした。
「働くことに対して前向きである」というだけで、他人を「意識高い認定」をしていました。
今でも「5000兆円あげる」と言われれば、喜んで引きこもりになれる自信があります。
もともと、そのぐらい意識の低い人間なのです。

 

さて、本当に突然ですが、ここで人生をアナログなゲームに例えてみましょう。
今話題の将棋など、分かりやすいかもしれません。

 

ゲームをするにあたって、そのゲームを楽しみ、そしてもし勝ちたいと思うなら、絶対に知らなければいけないことが3つあります。*1

 

それは
 1.勝利条件、または敗北条件
 2.ルール、または禁止事項
 3.相手の強さ、または弱さ
の3つです。

 

将棋で言えば、相手の王(玉)を詰んだ状態にすれば勝てます。
基本的な駒の動かし方やルールが分かれば遊べますし、相手との力量差が大きければ、使う駒を減らすことで互いに楽しむこともできます。

 

さて、上記の文章は、本当に正しいでしょうか?
まず、将棋の勝利条件は「詰み」だけではありません。投了の宣言や時間切れでも勝敗が決まります。
基本的な駒の動かし方がわかっても、最低限の戦略や序盤〜終盤の流れを知らないと楽しくありません。
勝ちを重視する場合、強い人が弱く振る舞うこともあります。

 

今回は将棋を例に挙げましたが、ゲームというものは通常絶対の正解はない(あると遊びの要素がなくなり、ゲームとして機能しない)ため、自分なりに深めることができます。
私は先ほど「人生をアナログゲームに例える」と言いました。
なぜなら、人生もこの3つのことを知り自分なりに深めていかないと、楽しめないものだと考えているからです。

 

人生の勝利条件とは何か。
これには哲学や文学が役に立ちそうです。あるいは、芸術、宗教なども関連するかもしれません。
周囲の人に色々と話を聞くのもいいでしょう。

 

人生のルールとは何か。
生物学や物理学を始めとする自然科学は「地球という環境で生きる」上で重要ですし、社会学歴史学はそのまま「社会的に生きる」上で知る必要がありそうです。
あるいは、私たちは言葉を使い五感を通じてコミュニケーションをとっていますから、言語学や論理学、身体論なども参考になりそうです。
もちろん、多種多様な環境に身を浸すことも大事でしょう。

 

人生の相手とは何か。
周囲にいる親密な人から、つながりの薄い人まで様々でしょう。また、自分自身も「相手」に含まれるかもしれません。
人間一般のことを知るなら心理学が手掛かりになりそうですし、文化人類学やネットワーク理論も知っておいて損はなさそうです。
何よりも、まずは相手と一人の人間として付き合うことも重要そうです。

 

さて、人生というゲームの恐ろしいところは「勝利条件やルール、相手の強さ弱さが時と場合によってガラガラと変わる」ということです。
将棋では、二手指し(続けて2回指すこと)はルール違反ですし、2歩(成っていない歩を2枚以上同じ列に置くこと)は禁じ手です。
それをしてしまうと、ゲームとして成り立たなくなるからです。

 

ただし、人生では場合によって、このルールを破った人が勝ちます。
なぜなら、ルールを破ると強いからです。
1回に1つの手しか指せない人より、2手3手と指せる人が勝つのは、火を見るよりも明らかです。

 

そしてまた、人生においては勝利条件(言葉は不適切かもしれませんが)も変わります。
というよりも、現代においては「決まった勝利条件などない」という方が正しいかもしれません。
混迷の時代というならば、「何を目指していいか分からない」というのが、その最たる理由なのでしょう。

 

自分には「自分は生きるのが下手である」という自覚があります。
どうにかこうにか「生きるのが上手くなりたい!」と思って色々とやってきた結果、今では立派に意識が高くなりました。
人によっては、「あいつ痛いな」と思うかもしれません。
「生きるのが上手くなりたいって何だよ」みたいな。

 

それでも、今の自分には一定満足していますし、これからももっと多くのことを知りたい・実現したいと思っています。
意識が低く、生きるのが下手な自分が、何を経てそれなりに仕事や家庭で楽しく過ごせるようになったのか。
そんなことを30日間書き連ねることで、同じような気持ちになっている誰かの役に立てば、これ以上の喜びはないなぁと思います。

 

最初なのでもっとサクッと書き切ろうと思ったのですが、相変わらず長くなってしまいました。
こんな調子が続くと予想されますが、これから30日間、よろしければゆるりとおつきあいくださいませ。

*1:別に2つでも4つでもいいのですが、やっぱりこういう時は3つですよね。