canno-shiのすこしみらいを考える

現在と過去を通じて少しだけ未来を考えるためのブログです。予測ではないですが、ありたい未来を考えていく気持ちです。

「未来という不確かなものにどうやって向き合うか?」という問いに対する、1つの回答。

今年に入ってから「社会や組織、アートやエンタメの未来ってどうなるんだろう?」と考える機会が増えました。 その中で、そもそも「未来という不確かなものをどう考えるのか?」というある種の姿勢自体がとても難しいな、と感じる場面が多くありました。 そ…

ティール組織(進化型組織)の最終段階を考える【前編】

昨今話題のティール組織。一言で言えば「世の中のルールが変わったことに順応した組織形態」のことだと言えるでしょう。絶対王政から市民社会になって社会のルールががらりと変わったように、時代が下るに従ってその時々の時代を覆っているルールも変わりま…

選択的夫婦別姓の議論の難しさを「昆虫食問題」で提示する〜社会通念を変えることの難しさについての考察〜

昨日、選択的夫婦別姓に関してサイボウズの青野社長が個人として国を提訴した、というニュースを見ました。 「日本の損失だ」夫婦別姓問題で国を提訴!サイボウズ社長を驚かせた弁護士の"ロジック"とは | Abema TIMES関心がある議題だったのでこの記事や他の…

2017年に読んでよかった本7冊のご紹介

最近、友人から「普段どんな本読んでるの?」と聞かれることが増えてきました。オススメする本はその時々や相手の興味関心で変わるのですが、振り返りも兼ねて、今年読んでよかった本の紹介でもしてみようかと思い立った次第です。 そろそろ「今年最後に読む…

幸せになるための3ステップと9+1の問いかけ

かれこれ3年ほどこのブログを続けているのですが、1番読まれているのが、2015年のクリスマスに「幸福(=幸せ)」について書いたこちらの記事です。 幸福について本気を出しすぎて考えたら、マズローの自己実現理論を更新して世界平和を希望していた話。 - c…

12月は思考を飛ばすのにちょうどいい。

時々、ふっと思うことがあるんです。「ああ、やっぱり世の中には、毒が足りないなぁ」と。もっと言えば「毒を目の前にして目を逸らさずにいられる人はそこまで多くないなぁ」と。 ここでいう毒というのは当然そのままの意味ではなく、あえていうのなら「人の…

理性至上主義者が感情に意味を見出すまでの物語

あるところに、一人の少年がいました。 彼は、人類が何千年もかけて技術や思想や社会制度を進歩させてきたことに比べ、個々の人類がほとんど進歩していないように思えることを、とても不思議に思っていました。彼なりに考えた結果、その根本原因は「感情に振…

風が吹けば、ろうそくの炎は消える。しかし、焚き火の炎は燃え上がる。

このブログで1番読まれている記事は、2015年の年末に書いたこちらの記事です。 幸福について本気を出しすぎて考えたら、マズローの自己実現理論を更新して世界平和を希望していた話。 - canno-shiのすこしみらいを考える 当時常に考えていた「幸せとは何か?…

1ヶ月ブログを書き続けて気づいた2つのこと。

その1。自分にとって、書くことは素の自分と向き合う重要な時間である。その2。毎日何かを書こうとすると、思考の深まりが足りず中途半端なものになる。 書くこと自体は、思ったよりは全然辛くありませんでした。実は自分は中学生くらいからブログは書いてい…

問題そのものではなく、自らが生み出した問いと格闘せよ。

アインシュタインの有名な言葉が、問いと解決の関係について、非常に重要なことを示している。 いかなる問題も、それを作りだした時と同じ意識レベルで解決することはできない。 The problems that exist in the world today cannot be solved by the level …

食べ物がその人の身体を作るなら、音楽がその人の心を作るということはないか。

自分は音楽が好きで、その中でも「オリジナル女性ボーカル同人音楽」という、非常にマニアックな領域にかれこれ15年近く存在しています。もともとは兄の影響で「ゆず」「布袋寅泰」とかを普通に聴いていて、その後ゲーム音楽からケルト系の民族音楽にハマり…

終戦100周年の年を、僕らはどんな気持ちで迎えるだろう。

第二次世界大戦が終わってから、もうすぐ72年が経ちます。8月は様々な式典がありますし、お盆もあって必然的に先祖について考える機会も増えますから、曽祖父母の生きた戦争の時代に想いを馳せることも多くなります。 100という数値に本質的には意味はないけ…

必要なことだけでは生きていけない贅沢人間の話。

つくづく、自分は「必要なことだけをして生きていく」ことができないなぁと思う。今の仕事は楽しいし私生活も順調だが、そうなるといつも必ず「この日常を壊したい。無意味なことをして気分転換したい」という気持ちになる。なんと贅沢なことだろうか。 遊び…

正解が分からない。自分らしさが出せていないと思ったとき。

そんなときは、まず「正解などない」ということを認めてしまう。「自分というのは乗り越えるものだ」ということを信じてしまう。そうすれば、問いは「今の自分を乗り越えて、より望ましい未来を現実にするために、何を選択するべきか」というものに変わる。…

打ち上げ花火、その本質は 音か光か

アニメ映画、オリジナルかと思ったら原作があったんですね。世の中には知らないことがいっぱいです。さて、昨晩は近くで行われていた打ち上げ花火を見に行きました。会場まで行こうかどうしようか……と迷っていたところ、途中の橋に小さな人だかりができてい…

ゆとりとくつろぎを感じたのは、とても非効率的な珈琲店でした。

今日はお昼をイノダコーヒーで食べたのですが、随所がとても非効率的でびっくりしました。ただ、その非効率さゆえに、機会を見つけて僕はまたイノダコーヒーに行くでしょう。 最初に違和感を覚えたのは、お手洗いに立ったとき。お店の外にあるというので出口…

朋あり 15分のために遠方より来る

京都滞在も5日目なわけですが、1日3回は「やっぱり京都はいいなぁ、暑いけど」と若干関西弁のイントネーションで言いながら過ごす日々を送っています。 そんな中で、昨日はとても嬉しいことがありました。仕事終わりに大学時代の友人から連絡が飲まないか、…

自分にとって「ブログを書くこと=一人の遠出」だと気づきました。

現在、大丸京都店にて新サービスの展示をしながら妻の実家に宿泊しているのですが、途端にブログが書けなくなりました。書く時間を取るのが難しいというのもありますが、テーマが絞れないのが1番の要因です。 ふと、その理由が「自分の役割が増えていること…

【後編】ベーシックインカムというフィルターを通して見た5つの世界。そこには何が映るのか。

前回はベーシックインカム(BI)について、「国家、会社と市場、家族、個人、国際社会」の5つの観点から考えることを提示した。 【前編】ベーシックインカムというフィルターを通して見た5つの世界。そこには何が映るのか。 - canno-shiのすこしみらいを考え…

【前編】ベーシックインカムというフィルターを通して見た5つの世界。そこには何が映るのか。

ブレグマンの『隷属なき道』を読み、ベーシックインカム(BI)についてどの観点から書くべきか、この2日間ずっと考えていた。 本を読んだりネット上にある色々な方の寄稿文やブログ、twitterのやり取りを読んだりしていると、数年間にわたりBIが検討の対象に…

隷属への道と隷属なき道

前者はハイエクであり、後者がブレグマン。解説で「ハイエクを本歌取りした」とあるが、原題の『Utopia for realists(現実主義者のための理想郷)』の方が当然ながら内容に即している。ちなみに、ベーシックインカムの話は筆者の主張の軸ではあるものの一部…

ベーシックインカムについて、ここらでちゃんと考えるぞ!という宣言。

ここ1年間くらいベーシックインカムの可能性についてアレコレ考えているのですが、本日も大変興味深い記事に出会いました。 オランダの歴史学者兼ジャーナリストという、ルドガー氏の講演要約とのこと。bunshun.jp この人がどんな人か分からないし、1番気に…

自分を幸せにする手段を選んで表現する、ということ。

一緒にブログ企画をやっているYSさんが、昨日以下の記事をアップされていました。 「好き」を語ることは人を幸せにするのか否かserayumi.wordpress.com タイトルを見て本文を読んだ瞬間に「あ!視点が自分と全然違う!」と驚いてしまいました。なぜなら、語…

「健康」から考える、言葉を自分なりに捉えるということ。

仕事を始めて約5年半になりますが、昨日初めて体調不良で会社を休みました。立っても座っても横になっていても腹痛が酷く、病院に行ったら急性腸炎と診断されました。 どうやら「小腸に普通は溜まらないガスが溜まっている」とのことで「いっそ腹をかっさば…

「自分の強みを知る」ことは「人生の中での仕事の位置付けを決める」ための必須科目だと思う。

仕事をする中で「自分の強みを活かす」という発想と出会うことがあります。実は私、この言葉があまり好きではありませんでした。おそらく、学校での試験の経験が尾を引いているのだと思います。試験では、どんなに得意な教科でも満点は100点や200点です。苦…

どうすれば「アニメ市場に新しいユーザが入りやすくなるか」という問い。

自分はいわゆるオタクと呼ばれる人間*1ですが、ご多聞にもれずアニメもそれなりに見ます。 例えば、7〜9月のシーズンで見ているアニメを挙げるとこんな感じ。・メイドインアビス・プリンセス・プリンシパル・NEW GAME!!・地獄少女 宵伽・賭ケグルイ・ボー…

東京に出てきて「あ、いま少し心が死んだ」と思った瞬間の話。

久々に終電まで飲んだ金曜夜、満員の京浜東北線に乗ったところで思い出したので書きます。これは、それなりの田舎で18年間暮らしたのち関西のそこそこ都会の大学に通い、東京という彼の地元の70倍の人口密度を誇る大都会で仕事を始めた男の子の話です。 彼の…

気軽にシェアできない体験を作るということ

最近「フォトジェニック」然り「バズる」然り、個人・企業問わずSNSでのシェア(とそれに付随する「いいね!」)を最大化することを目的に沢山の施策が行われています。 それはそれで大事なことで、誰にも知られずに終わるくらいなら、多くの人に知ってもら…

半休半労のススメ

今日は奥さんの誕生日だったので、せっかくなら一緒にいれる時間を作ろう!ということで午後からは家で仕事をしていました。先週から業務を調整して、ミーティングがなければ家でできる仕事がほとんどなのは、とても良いことだなぁと思っています。 そして、…

「正直者はバカを見る」という言葉は、強いけれども嫌いです。

突然ですが、私は小さい頃から「正直者はバカを見る」という言葉が嫌いです。嘘をつくと疑心暗鬼が生まれてコミュニケーションコストが上がりますし、誰かに騙されれば次は誰かを騙そうと思って騙しの連鎖が生まれるし、悪いことをしている人が得をする世界…