canno-shiのすこしみらいを考える

現在と過去を通じて少しだけ未来を考えるためのブログです。予測ではないですが、ありたい未来を考えていく気持ちです。

幸せになるための3ステップと9+1の問いかけ

かれこれ3年ほどこのブログを続けているのですが、1番読まれているのが、2015年のクリスマスに「幸福(=幸せ)」について書いたこちらの記事です。

 

幸福について本気を出しすぎて考えたら、マズローの自己実現理論を更新して世界平和を希望していた話。 - canno-shiのすこしみらいを考える

 

今読んでもそこまで悪くないと思うのですが、回りくどくて長い(自分の文章は大体そう)のと行動につながる部分がなかったため、シンプルに分かりやすい形式で書き直したのが本記事です。

 

日本は元気がないだとか、周辺国との関係悪化だとか暗いニュースが多いのですが、年末年始くらいは前向きな未来を考えるきっかけになれば、という気持ちで書きました。

 

それでは、さっそく本編に入りましょう。
本記事の構成は以下の通りです。

 

1.幸せとは何か?の再確認
2.幸せになるための3ステップ
3.9+1の質問

 

1.幸せとは何か?の再確認

「幸せとは人生の究極の目的である」というのはアリストテレスの言葉です。
ではその幸せとはどういうものかというと、個人的には「満たされた状態が長く続くと確信できること」だと捉えています。(2年前と若干表現が変わっています)

 

この言葉は、以下の3つに分けて考えることができます。

1.満たされた状態
自分として満足していて、足りないものに思い煩わされることはない、という状態です。
どれだけ地位や名誉やお金があっても「もっと欲しい!」と思っているうちは満たされていない、ということです。

2.長く続く
一時的な幸せ(美味しいものを食べる、思いがけない大金が手に入る)は日々の活力になりますが、長期的な不幸せ(不健康になる、使い果たして貧しくなる)の原因になることもあります。
日々辛いことや苦しいことがあったとしても、少なくとも数年ぐらいのスパンで満たされていると感じられることが、幸せにおいては重要です。

3.確信できる
「今の満ち足りた生活がいつか壊れるのではないかと不安」というのでは、幸せとは言えません。
そこに至るまでの自分の行為や能力、人との関わり方に裏打ちされた結果として満たされた状態になることが、幸せの1つの要素となります。

 

この3つの要素を満たすには、どんな手順を踏んで何を考えればよいのか。
それを知るために、幸せになるための3ステップと9+1の質問を続けて見ていきましょう。

 

2.幸せになるための3ステップ
STEP1:自分が満たされることを感じる・理解する
STEP2:満たされるための環境をつくる
STEP3:つくり上げた環境を維持し発展させる

 

3.9+1の質問

STEP1:自分が満たされることを感じる・理解する
・自分が満たされたと感じるのはどんなときですか?
・自分が満たされるときのきっかけは何ですか?
・満たされないとしたら、基準を下げることと満たされるまで努力することのどちらを選びますか?

 

STEP2:満たされるための環境をつくる
・自分が満たされたと感じる時間を増やすために、何ができそうですか?
・満たされたと感じるとき、その影響度が高い要素は何ですか?(人、モノ、お金、達成すべき目標など)
・その環境をつくるために新たに取り入れるべきものや、捨て去るべきものは何ですか?

 

STEP3:つくり上げた環境を維持し発展させる
・その環境が3年後も機能するために、今取り組まなければいけないことは何ですか?
・その環境が1年以内に壊れてしまうとしたら、その原因は何ですか?それに対してどんな対策が打てますか?
・今の「幸せ」をもっと研ぎ澄ませたり、自分らしいものにすることはできませんか?

 

最後の1つ
・自分が幸せなままで、他の人を今よりも幸せにする方法はありますか?

 

 

いかがでしたでしょうか?
人によっては最初の質問で「ここ最近、心から満たされてるって感じたことあったっけ?」と詰まってしまう方もいるかもしれません。
その場合、自分の素直な気持ちや感覚と向き合う時間が足りていないのかもしれません。
何が自分の幸せにつながるかが分からなければ、ここで定義した意味で「幸せ」になることはできません。

 

逆に言えば、それさえ分かれば、そう感じられる時間やきっかけを増やし、環境を整えていくことで、幸せになることができます。
重要なのは、そのための選択肢を自分で決断し、選んでいくことです。
なぜなら、自分が目指すべきは「一般的な幸せ」ではなく「自分なりの幸せ」だからです。

この10の問いかけが、少しでもお役に立てることを願っています。

 

 

 

 

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さて、本記事の本編は以上で終わりです。
ここからは余談として「幸せになることが難しい3つの理由」を書いていきます。
ご興味がある方は、今しばしお付き合いくださいませ。

【理由1:自分の感覚を素直に受け取ることは難しい】
通常、人は目の前で起きていることを過去の様々な経験に照らして判断しています。
これはマインドフルネスの文脈でよく言われる「いまここを大事にする」という話と近いのですが、その経験に照らした判断は、基本的には偽物です。
私たちは「2日続けてお茶碗1杯のお米を食べた」と話しますが、今日食べたお米と昨日食べたお米はその炊き加減、食べるときの暖かさ、量が確実に違うのです。

これがお米ではなく「喜び」や「恐怖」であった場合、話の重要度がぐんと上がります。
自分にとって「より幸せにつながる喜び」や「より不幸せにつながる恐怖」は何か?
これを考えるために、喜びや恐怖などの意味合いを高解像度で感じ分けることが不可欠なのですが、これが難しいのです。

 

【理由2:満たされることは難しく、発展させることはより難しい】
自分が満たされていると感じるためには、今あるもので良しとする態度が必要です。
しかし、資本主義社会では常に個人の欲求は刺激され、今以上にお金を使わせる仕組みがあちこちに存在しています。
こうした状況の中で「今の自分は十分に満たされており、必要なものを手にしている」と確信を持つことは難しいです。

また、発展とは現状を変えていくことです。
「今あるもので良しとしながらその現状を変えていく」という矛盾を乗り越えることも当然のように難しく、変えていく中で必ずしも良い方向に向かうとも限りません。
現状を肯定しながらさらに良い未来を目指すためには、人生に対する前向きな姿勢が必要になります。
悲観的な人よりも楽観的な人が幸せを感じやすいというのは、こうした物事への取り組みやすさも影響しているのかもしれません。

 

【理由3:自分の幸せにつながる最適な方法を選ぶのは難しい】
突然ですが、なぜ同じことをしても幸せそうな人もいれば、不幸せそうな人もいるのでしょうか。
それは、幸せの形が個々人によって違うからです。
つまり、幸せになるための方法も、個々人によって違うということです。

一人ひとりが自分にとって最適な方法を選ぶことが理想的ですが、それを教えてくれる人は非常に少ないです。
「有名大学に行って大企業に就職して結婚して子供を育て上げる」という方法が多くの人を幸せにした時代はすでに過去のもので、現代では自分なりの方法を見つけなければなりません。

そのために必要なことは「様々な方法を知って試してみること」であり、色々な生き方・働き方・愛し方・考え方・感じ方・価値観などに触れることが前提となります。
逆に言えば、そうしなければ自分なりの幸せにたどり着くことは、非常に難しいと言えるでしょう。

 

 

最後に、幸せになりやすい人がいるとしたら、それは周囲の人に愛され、周囲の人を愛し、世の中的に評価されやすい分野で高い能力を持った人物だと思います。
それこそが、「長期的に自分が満たされている環境」を維持するもっとも根本的な方法だからです。

そうであれば、現代において身につけるべきことは「周囲の人と良い関係を築く方法」と「自分の得意分野を世の中で役立てる方法」の2つに集約されるのではないかと、そんなことを考えるのです。